デッサンとシェーディング
昨日の色鉛筆の話の続きです。
多摩グラの受験科目1日目は、6時間で「石膏デッサン」と「色鉛筆画」だったはずです。
確か、、、私が受ける前年までは。
それで、石膏像を描く練習を重ねて、当日試験に挑んだのですが、、、
受験会場に入ると、それぞれの机に鏡とヒモ。「ん?石膏、どこ行った?!」
ザワザワ、ザワザワ、、、戸惑う受験生たち。
この年初めて、通年の石膏デッサンがなくなり、「あやとりをする両手を描きなさい」という試験内容に変わっていました。石膏デッサンならいざ知らず、あやとりをする手を6時間も描けませんよ!!
時間があまりすぎて、最後は指紋まで描きました。
それで、結局この年は色鉛筆画はなく、、、私の買い揃えたイーグルも活躍の場がなく受験を終えたのでした。
結果は、指紋まで描いたのが良かったのか?多摩グラは無事合格しました。しかし第一志望が武蔵野美術大学の空間演出デザインでしたので、武蔵美の方に進学しました。
懐かしい思い出です!
この時が私のデッサン力ピークの時期だと思いますが、この時に鍛えられた絵を描く筋肉は、今も大切に使わせてもらっています。
デッサンは、物を描くというより、私は「空間を描く」と捉えていました。特に影はいつも慎重に描きました。
影によって、どんな光なのか、どんな質感なのか、どんな天気なのか、その物の形が分かるからです。正確に形をとるのも大切ですが、影が重要です。
影をいい加減に描くと、モチーフの重さが出なかったり、質感がフワフワしてしまったりします。
ゼンタングルでもシェーディングといって、最後に鉛筆で影をつけます。
タングルに重みが加わり、奥行きを与え、光が生まれる瞬間です。
しかし、デッサンのように難しく考えなくても大丈夫です。光源も気にしませんし、質感も特に設定する必要はないです。
1つ1つのタングルを、丁寧に、際立たせるように陰影をつけます。
丸いものは丸く、奥にあるものは濃く、心地よい範囲で鉛筆を重ねていきます。
今日は佐藤心美CZTと一緒だったので、彼女の考案したタングル『trinity』を描きました。
やはり鉛筆は、空間を作るものでしょうか。シェーディングした途端に、タイルの中に空気が生まれた気がします。
シェーディングが苦手、と言う声をたまに聞きます。そんな方は、無理せずに薄めのシェーディングから。そして、徐々に鉛筆を濃くして行きましょう!!
最初に思い切り濃い影を描いて、鉛筆の黒に慣れるという策もあります。何にしろ鉛筆の質感を楽しむことです!!
難しく考えず、軽やかに鉛筆のタッチを楽しんでください!
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