訓練不要なゼンタングル

私はテキスタイルデザインの仕事をしています。今日は、ニット向けの柄を2つ描き、スカートのための繊細な柄を1つ完成させました。

仕事でも、日常生活でも、「このくらいのものなら、すぐ描けるでしょ?」「チャチャッと描いて」「30分あれば描けるんじゃない?」というようなことを言われます。

ハイ、確かに、描き慣れたものならば、短時間で描きあげることが出来ます。

しかし、絵を短時間で描けるようになったのには理由があって、そうなるように『努力し、訓練したから』なんですよね。突然魔法のように描けるようになったわけでもなく、生まれつきそんな能力があったわけでもないのです。

ピカソが30秒で描いた絵の値段を100万ドルと言った話は有名です。本当かどうか、真偽のほどは分かりませんが、『この絵を描くのに、30年と30秒かかったんですよ』と言ったのだとか。

確かに、絵を描くのに要するのは、その作業時間の他に図案を考える時間があります。そして、思うような線を引くための訓練、情緒やセンスを育てるための行動、色の研究や表現方法、テクスチャ(質感)などの勉強にも、時間を費やさねばなりませんね。
テクニックやアートへの知識も必要です。

そんな人知れぬ努力の積み重ねがあり、やっと『短時間で絵を描きあげる』ということができるのです。

私は「短時間で描けるでしょ」と言われることに誇りを感じるくらいですが、絵を描く仕事をしている人は、地道な努力を積み重ねているのですよ。
絵に限らず、スポーツでも、音楽でも・・・なんでも同じですね!!

しかし、ゼンタングルの良いところは、その地道な努力がいらないところです。集中力と丁寧さは必要ですが、毎日訓練しなければならないとか、そういうことがありません。絵が下手でも、大丈夫!!!

地味な積み重ねをしてきた絵描きからすると、ちょっとジェラシーですね・・・

でも、私が惹かれたのはそんな部分でもあります。誰もが、ちょっとした時間に絵を楽しめる。雑紙の裏に、ついついタングルしてしまう!!
もう、これは、本当に楽しい体験です。

基本的なゼンタングルから飛び出して、新たなZIA(ゼンタングルからひらめいたアート)を確立させたい場合は、また地道な積み重ねが必要なのかもしれませんが・・・まずは、誰でも簡単に描けるというゼンタングルの入り口を楽しめたら、今まで知らなかったアートの世界への扉が開くでしょう!!!

私が初めて自分で描いたゼンタングルを載せます。
わけもわからず描いたのですが、本当に楽しかった・・・
この楽しさを、たくさんの人に伝えたいです!!

成冨史絵のゼンタングル®︎

マッシュマニア・テキスタイルデザイナー成冨史絵のゼンタングル®︎の世界

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